オーニングの法律-建築基準法・道路交通法・道路法・消防法-
近頃は、自分自身で簡単に組み立てられる自立型オーニングも登場してきました。そのため、オーニングは簡単に取り付けられるものと認識されがちです。しかし、オーニングを設置する際は、さまざまな法律のルールを守らなければいけません。
建築基準法・道路交通法・道路法・消防法などがありますが、これらの法律に従わなければ罰則が課せられるので注意しましょう。この記事では、オーニングに関する法律について詳しく解説します。これから、オーニング設置を検討している方は、ぜひ、この記事を参考にしてみてください。
Contents
オーニングに関与する4つの法律とは
オーニングを設置する場合は、法律のルールを守らなければいけません。オーニング設置時に関連する法律は(1)建築基準法(2)道路交通法(3)道路法(4)消防法です。これらの法律のルールを守らないと罰則が課せられるので理解を深めておきましょう。ここでは、オーニングに関与する4つの法律をご紹介します。
建築基準法
建築基準法とは、安全に快適に暮らせるように建物や土地に対して定められているルール。オーニングは軽微なテント工作物(布等の簡易な巻き上げ、軒出し等)に該当し建築物として取り扱わないことが平成17年度日本建築行政会議全国会議にて確認されております。但し、本体の建物と一体として計画されていたり、防災上の懸念がある場合などは建築基準法の影響を受けることがありますので個別に各市町村の建築主事に確認が必要です。
道路交通法
道路交通法は、道路上を安全・円滑に走行・歩行できるようにするための法律です。道路で起きる事故やトラブルを防止するために定められています。運転者や歩行者に対してのルールも定められていますが、道路の使用に関するルールも定められています。
オーニングを設置することで、通行人や車両に不便な思いをさせてはいけません。そのため、オーニングが敷地をはみ出す場合は、道路交通法を守る必要があります。
道路法
道路法とは、道路管理・整備・費用負担・罰則など、道路に関するあらゆる事項を定めています。所轄は国土交通省です。そのため、敷地内ではなく、オーニングが道路にはみ出る場合は、道路法を守らなければいけません。
消防法
消防法は火災が発生することを警戒して、火災による被害を軽減するなどルールが定められています。防火地域などでオーニングを使用する場合は、防火性能のあるキャンバス生地を選ばなければいけません。
オーニングに関与する法律を守る方法
オーニングを設置する場合は、各法律のルールを守らなければいけません。実際に、どのような点に注意をして取り付ければ良いのでしょうか?ここでは、オーニングに関与する法律の守り方をご紹介します。
隣地にはみ出ないように設置する
住宅の窓にオーニングを設置する場合、オーニング部分が隣地に出てしまうこともあります。このような状態を「越境」といい、行政処分を受けてしまうので注意しなければいけません。設置したオーニングを撤去してくださいと指示を受ける恐れがあります。そのため、隣地にはみ出さないように注意をしましょう。
道路法の基準を守って設置する
道路交通法や道路法によって、オーニング設置の基準が設けられています。以下の基準は必ず守るようにしましょう。
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・オーニングの最下部と路面との距離は歩道で2.5m以上、車道で4.5m以上設ける
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・路面上に1m以上突き出してはいけない
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・台風などの自然災害で倒壊・剥離する恐れある施工はしてはいけない。強固なものを選ぶ
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・広告部分が1/3を超える場合は看板として取り扱わなければいけない。
防炎機能のあるオーニングを選ぶ
基本的にオーニングの防炎機能は必須です。防炎機能とは、生地に火を当てれば燃えますが、火元を離せば自己消化性によって鎮火する機能です。火災時の延焼を最小限に留めるため、住宅や店舗には防炎素材を使用することが消防法で定められています。
住宅や店舗の外観に取り付けるオーニングも同様です。そのため、消防法のルール違反を起こさないためにも、防炎機能のあるオーニングを選びましょう。
景観に見合うオーニングを選ぶ
京都などでは、景観規制が条例で定められており、景観の統一を図らなければいけません。そのため、看板の色やデザインが派手なものを設置してしまうと景観規制に違反とみなされ、行政処分を受ける恐れがあります。そのため、華美なオーニングは控えて、景観に見合うオーニングを選ぶようにしましょう。
また、オーニングのデザインだけではなく、取り付ける看板の照明が華美な場合でも行政処分を受けるので注意しましょう。
実績を豊富に持つ施工業者に相談する
オーニングを設置する場合は、実績を豊富に持つ施工業者に相談をしてみてください。オーニングを設置する際には、さまざまな法律が影響することを理解して頂けたと思います。
一般的なサイズのオーニングでは建築確認申請は必要ありませんが、一定規模(5㎡以上)を超えると建築確認申請が必要となります。そのため、希望する場所にオーニングが設置できるかどうかを専門業者に相談してみましょう。
道路占有許可申請書の流れ
オーニングが道路に突き出る場合は、道路管理者からオーニング設置許可をもらわなければいけません。これを「道路占有許可申請」といいます。実際に、申請手続きはどのように行えば良いのでしょうか?ここでは、道路占有許可申請書の流れについて分かりやすく解説します。
1.許可申請
道路占有許可申請書と添付書類(位置図・平面図・断面図)を提出します。申請から許可を受けるまでは約2~3週間程度かかると認識しておきましょう。また、添付書類以外の図書も必要に応じて求められることがあります。
2.補正
許可申請書を提出後に、道路管理者から補正要求があった場合は補正を行いましょう。補正したことを報告して許可証を交付してもらいます。
3.占有料納付
許可証と同時に納入告知書を受け取ります。納入告知書を受け取ったら、銀行に行き、期日までに占有料を支払います。
4.工事着手届の提出
占有料納付後に、工事着手届を道路管理者に提出します。占有料納付後に、無断で設置工事ができるわけではないため注意しましょう。
5.工事完了届の提出
オーニング設置後に工事完了届を提出します。道路管理者から指示を受けた場合は、その指示に従います。
道路占有許可の申請方法に関しては「店舗用オーニングを設置する際に必要な道路占有許可の申請手順」を参考にされてみてください。
まとめ
今回は、オーニング設置時に把握しておきたい法律について解説しました。最後におさらいをしておくと、覚えておきたい法律は4つです。
【オーニング設置に関する法律】
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1.建築基準法:安全に暮らすために、建物や土地に対して定められている法律。
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2.道路交通法:道路上を安全・円滑に走行・歩行できるようにするための法律。
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3.道路法:道路管理・整備・費用負担・罰則など、道路に関するあらゆる事項を定めている法律。
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4.消防法:火災による被害を軽減するなど法律。
上記のように、さまざまな法律が関与してくるため、オーニング設置を検討している方は実績を豊富に持つ施工業者に相談をしましょう。
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